伊那街道駕籠立場現地見学研修
伊那部宿を考える会
伊那部宿を考える会は7日、伊那部宿と関係する史跡の一つ、伊那街道「駕籠(かご)立場跡」などの現地見学研修を開いた。会員16人が、当時の面影を残す伊那街道を通って駕籠立場跡や恩徳寺跡などを巡り、江戸の時代に思いをはせた。
伊那の古文書研究会長の久保村覚人さんが案内。説明によると、天保9年5月、幕府の巡見使(江戸幕府が地方に派遣した監察使で、領内の事情を視察し幕府に報告する)が伊那地方を訪れ、一行115人が伊那部宿に到着し昼食をとった。地元では183人を動員して接待。巡見使一行はその後、眼田(まなこだ)村(現西春近沢渡上段)木浦ヶ原の「駕籠立場」で休息し、地方の情勢を聴取したという。
研修では、今も道祖神が並ぶ眼田坂下の辻、眼田坂、駕籠立場跡、恩徳寺跡と恩徳寺坂を巡った。
駕籠立場跡には、1966(昭和41)年に伊那公民館沢渡分館が立てた案内がある。久保村さんは、「駕籠立場は社会科の勉強のためにも残さないといけない。駕籠立場を含む伊那街道千メートルは、原形をとどめるとても貴重な街道」と話した。
駕籠立場跡は、文化財候補として伊那市文化財審議会に申請されているという。