伊那消防署 登山道で長時間歩行、搬送など訓練
山岳からの救急要請に対応
伊那消防署は伊那市西春近の権現山(1749・3メートル)で山岳訓練をしている。登山道での長時間歩行、要救助者の搬送訓練などを通じて、救助技術、体力、精神力の向上を目指す。
携帯電話の普及で見込まれる山間地域からの救急・救助要請の増加に備え、適切な活動ができるように窶狽ニ、初の試み。救助隊員24人が3日間に分かれて訓練に取り組む。
初日は8人の隊員が、頂上まで5時間以上かけて登山道を往復。36キロの訓練用人形や、救助用資器材を積んだ担架を隊員が交代で運んだ。途中、クマの気配を感じたり、アカバチに遭遇したりしたが、全隊員がすべての訓練を成し遂げた。
急斜面下の要救助者を想定した訓練では、足場が悪いなか、一つひとつの動作を呼称しながら、正確・迅速に救助し、技術を磨いた。
同署への山間地からの救助要請は年間数件で、ほとんどが山作業中のけがなど。しかし、来年3月に控えた高遠町・長谷村との合併により出動エリアが広がり、救急要請の増加が見込まれる。小嶋守救助隊長は「山間地での救助技術向上とともに、山岳用救助資器材の充実も図っていきたい」と話す。
19日にも同様の訓練を予定している。