山頭火、井月の句碑建立
伊那ゆかりの漂泊の俳人、井上井月の「出来揃ふ田畑の色や秋の月」、自由律俳句で知られる種田山頭火の「なるほど信濃の月が出てゐる」の句をそれぞれ刻んだ2つの句碑と、この建立地が古くから月の名所として親しまれた由来を刻んだ碑の除幕式が8日、伊那市美篶笠原の食品会社会長・堀内功さん(88)=東京都杉並区=方で行われた。
この地から眺める月は非常に美しく、南東方向には月を遮る山がないことから、周辺は平安時代の昔から月見里と書いて「やまなし」と呼ばれていたという。「井上井月顕彰会」会長でもある堀内さんは「昔の人は良い地名をつけたものだ。今は山梨と書いているが、ここが・ス月見里(やまなし)・スだということが忘れ去られないよう、碑を建てたいと以前からずっと思っていた。歴史や文化が少しでも伝承できればうれしい」と話した。
式には俳句の愛好者や地元住民、堀内さんの家族など約30人が出席し、碑を覆った白布を除幕した。3つの碑は安山岩製で、高さは台座を含めそれぞれ約150縲・60センチ。