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伊那市用地選定委員会、最終候補地、富県桜井に決定

伊那市用地選定委員会、最終候補地、富県桜井に決定

 上伊那広域連合の新ごみ中間処理施設の建設候補地を検討してきた伊那市の用地選定委員会は12日、最終候補地を決定する記名投票を行い、候補地7カ所の中から、富県桜井区と北新区にまたがる用地を最終候補地に決定した。有力候補地だった高遠町上山田とは1票差だったが、最終的に候補地の適正を判断する評価点数が最も高かった同用地が最終候補地となった。伊藤委員長は「委員それぞれの思いに違いがあることも予想されたが、結果的に一番良い場所に決まった。委員会は客観的に評価してきており、地元への影響も最も少ないと思う。今後、環境アセスメントを行う中で地元の理解を得たい」と語った。
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 最終候補地を決定する記名投票は、委員23人全員が実施。3人が事前に不在者投票を済ませていたため、この日は残る20人が投票した。
 開票の結果、桜井は9票を獲得。評価点数が一番高いことを重視した委員が多かった。また、得票数8票と桜井ときん差だったのが上山田。「地元の意見で賛成票が多く、今後理解が得られると判断した」など、委員会では「評価しない」としてきた地元住民の理解度に配慮した委員が多かったことが、今回の得票につながった。
 取材に対し、桜井区の牧田稔区長は「区民の意向を最優先して考えていきたい」とコメント。また、候補地反対の意向を示してきた北新区の竹内秀作区長も「委員会の結果を持ち帰り、区民と話したい」とした。一方、委員会を傍聴した隣接区住民は「ここが適地でないことを訴えていきたい」と語った。
 建設用地を最終決定する小坂樫男市長は「大変重く受け止め、委員会の決定を尊重したい」としている。
 今後委員会は19日に報告書を市長に提出。市長はその結果を市議会に報告し、最終決定をする。その後、広域連合に報告し、7月には地元説明を始める。

伊那市用地選定委員会、最終候補地、富県桜井に決定

 委員による投票の結果、伊那市の用地選定委員会は、富県の桜井区と北新区にまたがる用地を最終候補地に決定した。しかし、桜井区が最有力候補だと分かったのは各候補地の評価点数が示された4月25日。それから2カ月もたたないうちに最終候補地が決定したことに対し、当該区を含む富県地区住民は驚きを隠せない。
 傍聴に来ていた富県貝沼区の住民は「5月の6、7日に富県全区を対象とした説明会があったが、その時初めて桜井が最有力候補地であることを知った。まさかここに決まるとは思っていなかった」と驚きを見せる。
 また、今回の決定で桜井同様、最終候補地となった富県北新区。昨年12月まで、候補地であることが認識されていなかったが、それまで桜井としてきた対象地区の一部に同区が含まれていたことが分かり、候補地となった。

伊那市用地選定委員会、最終候補地、富県桜井に決定

 同区も当初、桜井が最終候補地に決定することは想定していなかったが、4月末に有力候補地であることが判明し、急きょ対策委員会を設置した。その後、今日までの間に同地区は候補地として適地でないことを訴える要請書を提出。しかし、今回の決定に至った。
 北新区の竹内秀作区長は「今のはまだ用地選定委が結論を出した段階。結論を区に持ち帰って話し合いたい」とする一方、「区としてあそこに来てほしいという要請をした訳でもないのに、なぜあそこがいいのか分からないのが正直なとこ」と本音をもらす。
 桜井区に対する説明会は以前にも行われているが、隣接区からは要望がなかったため、この5月まで説明会は開かれていない。その後、有力候補地と判明してからわずかな期間で委員会が決断に至ったことに対し、周知・徹底が十分図られていないという思いが強い富県地区住民も多い。富県地区では今後、上新山も対策委員会をつくる検討を始める。
 取材に対し、伊藤精晤委員長は「地区の説明会の開催などは当該地区の主体性に任せてきた部分もあるが、事務局でも地区の要望に応じて説明会を開催するようにしてきた。結果として地区住民全員に周知を図ることは難しかったが、最善は尽くしてきたと思う」と語った。
 こうした思いとは裏腹に、中には施設建設により、道路網や公共施設が整うのではと期待する思いもある。
 用地選定委員会のある委員は「桜井区は富県の中でも90戸くらいの小さな集落。区だけで建物を建て直したりするのには限界がある」と語った。

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