昭和伊南総合病院小児科外来で看護師らと「赤ちゃん相談」を企画
助産師
駒ケ根市中沢
松尾睦さん(48)
お母さんたちの力になりたいんです竏秩B
医師不足の影響で産科の常勤医師がいなくなり、この4月から出産の取り扱いをやめざるを得なくなった昭和伊南総合病院。その小児科外来で今月5日、看護師らとともに、新生児から生後3カ月くらいまでの乳児の相談を受ける「赤ちゃん相談」を開始した。
「お母さんたちが一番心配なのは、1カ月検診が始まるまで。その間は何かと心配事も多い。でも、産後1カ月は自分で運転するのも大変だし、その都度遠くの病院まで行くのは負担になる。だったら、ほかの病院で出産して地元に戻ってきたお母さんたちに、近い昭和伊南に来てもらえればと思ったんです」と語る。
産科は大丈夫竏秩Bそう言われていたのは昨年4月のこと。しかし、それから情勢は劇的に変化し、その年の夏、出産を休止する話が浮上。今年4月、実際に出産の取り扱いをやめることになった。
それを受け、最初に迫られたのはほかの科への異動。
女性の力になりたい竏窒ニ、助産師として励んできただけに思いは複雑だった。辞めることも考えたが「小児科なら子どもを持つ女性の力になれるかも」と思い直し、小児科へ。
「それでも慣れるまで、とても大変でした」と笑顔を見せる。
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一方病院では、出産の取り扱いをやめたことで、これまで産後の検診に訪れていた地元の母親たちがぱたりと訪れなくなくなっていた。
お母さんたちは困っていないのかな竏秩B
そんな思いが過ぎった。それは、看護師たちも同様に感じていたことだった。
「検診の対応もそれぞれの市町村で異なるし『どうしたらいいか』『どこに相談したらいいか』って困っているお母さんもいるんじゃないかって話になって。だったら『ここ(小児科外来)に何でも相談できる窓口を開いてたらどうか』って考えたんです」
常勤医師がいない現状を変える力はない。それでも、自分たちが動くことで何かできることはないか竏秩B
考えた末に出た答えが、「赤ちゃん相談」だった。
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初回は4組の母子が相談に訪れた。
「急に母乳を飲んでくれなくなって」「便秘気味なんです」竏秩B 幼い我が子のちょっとした変化に不安を感じていた母親たち。しかし、助産師や看護師の温かな対応と的確なアドバイスで緊張も和らぎ、最後は笑顔で帰って行った。
今後、相談が増えれば相談の日を増やしたり、時間帯を長くして対応したいと考えている。
「いろんなところに相談できる窓口を開くことで、お母さんが心配事を抱えたまま育児をすることがないようにしたいと思った。どんなに小さなことでもいいので、相談に来ていただければ。お母さんたちの力になりたいんです」
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赤ちゃん相談
◇日時…毎週木曜の午後2時縲恁゚後3時
◇場所…昭和伊那総合病院小児科外来
◇有料(相談の後、医師の診断が必要だと判断し、受診に切り替えた場合は無料)。
◇相談に訪れる時は母子手帳、保険証、受診カード(ある人)を持参すること。
問い合わせ・予約は昭和伊南総合病院(TEL82・2121)へ。