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県宝宮田宿本陣でそば囲み夢ふくらませ

県宝宮田宿本陣でそば囲み夢ふくらませ

 県宝に指定される宮田村の宮田宿本陣旧新井家住宅で16日夕、村内の女性グループが手打ちしたそばや地元産食材の料理を振る舞い、指定管理者のシルバー人材センターと村の関係者が囲んで懇談した。江戸時代の歴史的建造物でもある本陣の利活用促進も目指した初の試み。周辺一帯の西山山麓は観光振興を模索する動きが進んでおり、「これをきっかけに何か広がれば」と夢をふくらませた。
 かつて大名や旗本が宿泊した一室に所狭しと並ぶ心づくしの料理。そば打ちに励む村の女性有志「そばの実の会」が用意したもので、清水靖夫村長ら村の理事者、課長らとシルバー人材センターの会員が舌鼓を打った。
 ろうそくとあんどんが灯る非日常的空間。「この雰囲気にお母さんたちの素朴な料理が絶妙。週末だけでもいいので、ここにそば屋でを開店したら」と歓声もあがった。
 身分の高い武士が宿泊した本陣。旧新井家住宅は伊那街道沿いで唯一現存する貴重な文化財だが、年間の来場者数は200人から300人ほどと少ない。
 「今までも利活用の構想はあったが、具体的に形にならなかった。村だけではどうしても限界もあって」と村教育委員会の小池孝文化財主任。
 今年度から駒ケ根伊南広域シルバー人材センターが指定管理者として村教委から管理委託を受けるようになり、施設利用度を高める動きは加速。今回の懇談にもつながった。
 「一回で途切れては価値がない。利用したいという希望があれば応えていきたい」と同センター宮田管理室長の鈴木末男さん。
 清水村長は「知恵を活かし人を呼びこむきっかけにしてもらいたい」と期待を寄せた。

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