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伊那市新ごみ中間処理施設用地選定委員会、最終報告書を小坂市長に提出

伊那市新ごみ中間処理施設用地選定委員会、最終報告書を小坂市長に提出

 上伊那広域連合の新ごみ中間処理施設の最終候補地を富県の桜井区、北新区にある天伯水源付近に決定した伊那市の用地選定委員会(伊藤精晤委員長)は19日、最終報告書をまとめ、小坂樫男伊那市長に報告した=写真。
今後市長は20日の市議会全員協議会で結果を報告し、正式に候補地と決定する。また、今月中に上伊那広域連合の正副連合長、同議会に報告。小坂市長が広域連合長として最終決定し、来月から地元地区との話し合いに入る。小坂市長は「この答申を重く受け止め、これから地元への説明会を開き、十分理解、納得いただいた上で建設を進めていきたい」と語った。
 ◇ ◇
 この日提出した検討結果報告書は、これまでの委員会で検討してきた内容を示しながら最終候補地の決定に至った経過を明示。各候補地が建設に適しているかを判断するために設けた評価基準の具体的数値、関係地区から提出された意見書やパブリックコメントとして寄せられた意見なども資料として添付した。
 伊藤委員長は「最終候補地は客観的評価により、最も環境影響が少なく、施設建設や運営の面からも問題が少ない場所になった」とし、「今後伊那市も、地元のみなさんと交渉に当たると思うが、環境影響評価を的確に行い、地元の理解を得てほしい」とまとめた。
 今後は地元との協議を進め、一定の方向性が見えれば環境影響評価に着手することになるが、環境評価は少なくとも3年の期間を要する。新ごみ中間処理施設の建設が遅れたことに伴ない、稼動を延長している伊那市の伊那中央清掃クリーンセンターと辰野町のクリーンセンターたつのの周辺地区とは05年12月に協議を行い「06年4月から5年以内に新施設の環境影響評価に着手すること」を条件に稼動延長を合意しているため、環境影響評価に着手するまでの猶予期間は3年弱となる。

 一方、最終候補地となった桜井区、北新区を含む富県6区では、前回の委員会の決定を受け、不満と不安が高まっている。
 富県区長会(牛山清人会長)は委員会に対し、17日付で要望書を提出。これまでの審議の経過については一定の理解を示しながらも、最終決定については得票数1票差というきん差だったにもかかわらず、最終候補地に決定したことに対し「疑問を感じる」としているほか、「客観的に検討を進めてきたとしながらも、最終決定の段階で主観が入ったのが納得いかない」として、慎重な対応と善処を求めている。
 取材に対し、小坂市長は「地元への説明はできるだけ早くしたい。その中で安全性を重視した施設にすることを伝え、処理施設の熱利用の方法などを交渉していきたい」として、ごみ処理施設に附属する周辺施設や周辺環境整備にも、前向きな姿勢を示した。

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