住んでいて良かったと思える「集落ビジョン」策定へ
東春近下殿島で委員会が立ち上がる
伊那市東春近の下殿島で24日夜、集落ビジョン策定委員会が立ち上がった。来年3、4月ごろを目途に、住んでいて良かったと思える集落の理念を創造するビジョンをまとめる。
市農業振興センターは農業の担い手が減り、遊休荒廃地が拡大すると予想。農村社会を維持するためにも住民が共有できる目標を持つ必要があるとして、1月に集落ビジョン策定を推進する方針を出した。
それを受け、下殿島集落営農振興センター運営委員会は集落ビジョン策定を事業計画に盛り込み、市内で初めてとなる組織を立ち上げた。
ビジョンは農業だけでなく、子育て、自然環境、文化伝承など地域全体をとらえ、今後、ビジョンの内容や策定にかかる住民意向調査などを検討しながら、キャッチフレーズを決め、達成するために何をするのかを考えていく。
委員は区、営農組合、ミセスの会、消防団、小・中学校PTAなど20縲・0代の27人で、委員長は地元集落農業振興センター運営委員会委員長の田中美喜雄さんが務める。
初回は、県集落営農アドバイザーで、ワークショップ(WS)による住民参加型の地域づくりを指導する内山二郎さんを講師に迎え、今後の進め方について研修を受けた。
内山さんは「住民の思いやつぶやきから発した計画でなければ、機能する計画にはならない」と話し、委員は4グループに分かれて地域の課題などを出し合った。
模造紙に「農業後継者がいない」「道が狭く、荒地が目に付く」「新しい人が来ても交流がない」「独り暮らしが多くなってきた」など課題を書き込み「課題は単独ではなく、からみ合っている」と実感。解決するために「共同で荒地を耕作する」「さまざまな世代が集まる場を作る」など自由に意見を交わした。