小坂市長戸草ダム建設を国に要望へ
国が伊那市長谷に建設を予定していた戸草ダムの計画を見送る方針を打ち出したのを受け、上下伊那の18市町村でつくる天竜川上流治水促進期成同盟会が30日に国土交通省(東京都)と同中部地方整備局(名古屋市)、財務省などを訪れて行う会談の中で、伊那市の小坂樫男市長は「何度となく災害に遭ってきた地域住民の安全のため」として戸草ダム建設を強く要望していく構えだ。
小坂市長は27日の会見で「国が示した・スたたき台・スでは『見送り』とされているが、実質的には中止に等しい。美和ダム上流の住民の安全に配慮し、規模が小さくなってもいいから治水のためのダムをぜひ建設してもらうよう要望したい」と話した。
戸草ダムの発電と工業用水の使用権を01年に取り下げた県に対しても再検討を求めるとともに、ダムの必要性を国に訴えるよう要望していく考えを示している。
伊那市議会も26日「伊那市議会戸草ダム対策委員会」を設置し、国、県の関係機関に対して強力に建設を要請していく方針を確認している。