農事組合法人「山室」を設立
来年度は約10ヘクタールで酒米を中心に栽培
高遠町の農事組合法人「山室」が17日、設立した。組合員の協業で農業の生産性を向上させ、利益を増進するねらい。集落単位で経営体を組織するのは上伊那で2カ所目。
農業を取り巻く情勢は、担い手の減少や高齢化、獣害被害による生産意欲の低下など耕作を放棄せざるを得ない厳しい状況。「先祖から受け継いだ農地・農業を守る」ため、地区内に住所または耕地を持つ農家戸数98戸のうち33戸が賛同した。
経営面積は現在、集計中だが、来年度の事業計画は約10ヘクタール。酒米を中心に、小麦、ソバを栽培する。定款では将来ありうる事業として林業経営、農畜産物の製造・加工なども盛っている。
出資金(資本金)は265万円。配当は組合員の出資額に応じ、残余がある場合は事業従事によって分ける。
三義交流館「やまびこ」で開かれた設立総会には組合員ら約30人が出席し、定款や事業計画、役員などを決定。
発起人代表で代表理事に選ばれた伊藤忠彦さんは、設立に至る経過に触れ「先祖から受け継いだ農地を守るために、組合員が一緒になって経営してほしい」と呼びかけた。
来賓の伊東町長は、新しい営農を作り上げていく1つのモデルとして農業の進展につながることに期待した。