農業生産法人「株式会社JA菜園」設立
上伊那農業協同組合が出資する農業生産法人「株式会社JA菜園」が30日、設立した。野菜に特化した法人であることが最大の特徴で、遊休農地の解消や担い手育成を図り、今後の畑作農業のモデル経営体を目指す。
伊那市のJA本所での設立会で、前段に開いた設立総会の内容を報告。資本金は2010万円でJA上伊那が2千万円、農作業に従事する取締役2人が残り10万円を出資。社長にJA上伊那常務理事の春日州一さん(63)が就任した。
西箕輪地区の吹上と羽広に6・2ヘクタールの農地を賃貸借し、アスパラを中心に白ネギ、ブロッコリー、トマト、ヤマゴボウなどを栽培。冬期はトマトハウスを有効利用し野菜苗を生産する。農業者やJAインターン生のほか、収穫期など状況に応じて地元住民が作業に従事する。農産物の販売先はJA上伊那。
計画では、08年度の売上高は2979万円。中心品目のアスパラの収穫が始まる10年度から黒字経営を目指し、売上高4509万円、当期純利益143万円を見込む。
JA上伊那の宮下勝義組合長は、「上伊那の農業の普及拡大が可能な組織モデルを目指す」とあいさつ。春日社長は、「アスパラの多収がポイントになる。単位面積あたりの収量を上げ、後継者育成もし、より強固な法人として全力を尽くす」と話した。