伊那公民館高齢者教室オープン講座「保科正之公を語る」
伊那市の伊那公民館高齢者教室のオープン講座が9日、同館であり、高遠町歴史博物館の北原紀孝館長が「保科正之公を語る」と題して講演した。歴史の町・高遠にまつわる話第3弾で、一般参加も含め100人余が、高遠が生んだ仁政の名君の話に熱心に聞き入った。
北原館長は、保科正之の生い立ちから話し、政治では徳川300年の基礎を作り、人道主義的哲学を持ち、相手に嫉妬心を抱かせず地位と立場をわきまえ行動した人物だったと紹介した。
保科正之の人格形成について、「指導者も素晴らしかったが、四季がはっきりしている伊那谷の自然環境の中から臨機応変、安全・安心と危機管理能力などを学び、同時に感性を育てたのではと感じる」と語った。
4代将軍家綱を補佐するため20年も江戸にいた間、会津藩がしっかり治められていたことについては、「会津を支えていたのは、この伊那から着いていった人たち」と話した。