沙羅双樹見ごろに
駒ケ根市中沢の常秀禅院
朝(あした)に開き、夕べに散る。夕べに咲いて、朝に散る、はかない1日花-。
駒ケ根市中沢の常秀禅院(吉江修深住職)の沙羅双樹(さらそうじゅ)の花が見ごろを
迎えた。今月中旬から開きはじめ、7月上旬まで咲き続ける。木の根元の太い部分で直径80センチ余、高さは約20メートル、幹から2本ずつ対生に枝を出し、四方に広がっている。
推定樹齢150年余のこの巨木は、明治時代に檀家が南方(インドシナ半島)から持ち帰った苗木が根づいたもので、これほどの大木は国内でも少ない。 ナツツバキの1種だが、花は1回り大きく、葉は緑濃く、厚みが
ある。
釈迦がこの木の林の中で亡くなり、瞬く間に花の色が変わったと言われている、インド原産のリュウノウコウ科の常緑高木。
吉江住職は「1日花のはかなさに無常を感じ、次々咲き続ける花に、しみじみと命の継続を感じてもらえれば」と話していた。