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輝く!経営者 その後
六九堂はりきゅう指圧院・六九堂接骨院
伊藤直樹院長(43)

輝く!経営者 その後<br>六九堂はりきゅう指圧院・六九堂接骨院<br>伊藤直樹院長(43)

六九堂はりきゅう指圧院・六九堂接骨院
◆伊那市高遠町西高遠683
◆1998年6月9日開業、2000年10月10日移転
◆TEL0265・94・5069
◆URL http://www.h3.dion.ne.jp/^rokkudou
◆本紙の長期連載企画「上伊那・輝く!経営者」で03年12月に紹介
 上伊那地域の東洋医療の拠点として、六九堂はりきゅう指圧院・六九堂接骨院の2つの看板を掲げる「六九堂」。鍼(はり)師、灸(きゅう)師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師の国家資格を有し、毎週発行の「六九堂新聞」で情報提供を続けながら、患者とのより強い信頼関係を構築。開業時から変わらぬ、地域の皆さんのお役に立ちたい-という思いで研究を重ね、新しい治療にも取り組んでいる。

◇自律神経免疫療法

 04年から新たに取り入れている自律神経免疫療法がある。漢方と自律神経免疫療法に取り組む医師と協力し、チームで治療に取り組むというもの。自律神経の乱れにより発生すると思われる疾患について、医師は漢方薬と血液検査、場合によっては西洋医学的な薬も使用。六九堂では鍼、灸、マッサージ、電気で治療する。週1回六九堂に通院し、六九堂以外の自律神経免疫療法実施医院では月1回、血液検査と医師の診察を受けるという流れになる。
 伊藤院長が自律神経免疫療法に関心を持つようになったのは、六九堂の開業でお世話になった人が、ガンで亡くなったことがきっかけだった。
 その後、患者の1人が、新潟大学医学部教授の安保徹さんの自律神経免疫療法について掲載された本を見て、「同じ治療をしてほしい」と言ってきたことから、この療法の医師に学ぼうと、患者と2人で佐久市にある水嶋クリニックの水嶋丈雄院長を訪ね、正しい鍼治療を学び、さらにより治療効果が得られるように研究を重ねた。
 伊藤院長が得意とするのは、初期リューマチ。自律神経と免疫の研究会の正会員になり、最新情報や技術の学習に積極的に取り組んでいる。
 「この治療は、ご家族の理解がないとできない」。六九堂には、本などでこの療法を知った人や口コミで、岡谷方面、遠くは軽井沢方面からも患者が訪れている。

◇「治療マッサージ」を主体とした数々の治療メニュー

 六九堂の特徴は「治療マッサージ」。気持ちいいだけのマッサージではなく、症状改善を目的としたマッサージに特化してきている。治療内容は、治療マッサージのほか骨格調整、はりきゅう治療、電気治療があり、さらに特殊治療として新しく頭蓋調整、温熱振動治療、リンパマッサージ、自律神経免疫療法などがある。いずれも、「患者さんに治ってほしい」という一念で、伊藤院長が研究してきた治療だ。
 頭蓋調整「お顔キレイ!」は、首とあごを含む頭蓋骨の矯正をする。ゆがみが取れて小顔効果や、副効果として偏頭痛の改善や顎関節症の改善などが期待されるという。
 温熱振動治療「あったかグリグリ!」は、凝りをほぐす治療。日本にある治療器具で一番振動が強いとされる「ヒットマッサー」も使う。
 「お顔キレイ!」「あったかグリグリ!」などの治療メニューの名称は、頭蓋調整などの言葉では少なからず恐怖心を抱く患者もいるのでは-と考え、気軽に治療を受けやすいように名づけたという。
 「最近ではあごの関節を緩める治療が可能になり、治療の幅が広がった」といい、治療を受けた患者の中には「世の中が明るくなった」と言って笑顔で帰っていく人もいるという。

◇開業から10年

 六九堂は、開業して今年で10年になる。「あっという間だった。好きだからね」と笑顔の伊藤院長。患者の8割は地元の人たちで、「おばあちゃんが来て、次におじいちゃんが来て…孫が来るというように家族で来てくれるのがうれしい。本当に皆様のおかげです」。
 開業から、ただひたすらに患者を思い、地域の役に立つことを願い歩んできた。人の技術を学んでも、それを自分の技術にし、地元の患者に合う技術にするためには形を変える必要がある。そのため、常に研究の日々を送っている。
 「一生懸命治してあげたい患者さんが、どうしても効果が出ないときがつらい」。他科で治る場合は紹介もする。しかし、どう診ても伊藤院長の範囲の場合は、とにかく治療法を考える。「真剣に考えていると夢の中でも考える。『あっ、これだ!』と目が覚めることもある。ただ治ってほしいという思いだけ」という。
 「2人で1つの六九堂」。副院長として支える妻の由美さんは、患者さんにリラックスしてもらえるようにと、私服で受付や院長の補助をしている。「白衣を着なくなってから院内の印象も柔らかくなった」といい、治療の面でも患者さんがリラックスしているため「ほぐしやすくなった」と、伊藤院長も効果を感じているという。
 副院長はこれまでの介護福祉士の資格に加え、新たに介護予防運動指導員の資格を取得した。治療は体を柔らかくすること、筋肉を付けることの2種類あり、両方のバランスが必要になる。介護予防運動指導員になったことで、筋肉を付けるために患者への指導というサポートも可能になった。
 仕事が終わった夜の治療室では、最近購入したロボット掃除機が働いている。真っ暗な中でチカチカ光りながら掃除するけなげな姿に、「自分も頑張って治療しないと」と感じた伊藤院長。「基本は変えず、これまでと同じく、治っていただきたいという気持ちで続けたい。出来ることを精一杯やらせていただきたい」。地域の六九堂として、患者と向き合う日々は続く。

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