宮田高原に赤そばの花畑を
宮田村は、標高1650メートルに広がる宮田高原の誘客につなげようと、赤い花が咲くそば品種「高嶺ルビー」の栽培に乗り出した。同品種を開発した村内企業のタカノが協力。牧草地に育てるため、通常の農地とは違って土を耕さない「不耕起栽培」を採用した。順調にいけば平地よりも1カ月早い8月中旬に開花予定。客の入り込みが最盛期の夏季と重なるため「高原の早咲き赤そばとしても話題になれば」と、関係者は期待を寄せている。
役場職員とタカノの担当者が9日、現地で作業。高原キャンプ場から望める最適地にと、牛が放牧される北西斜面を選んだ。
今季は試験的に経過をみようと、時期をずらしながら25平方メートルを4区画栽培。この日は無肥料と有肥料に分け、2区画に種をまいた。
「様子を見るなかで来季以降は、さらに本格的な栽培につなげたい」と平沢正典産業建設課長。放牧牛の減少や頭打ちが続くキャンプ場利用者など課題も抱える同高原だけに「活性化の一助になれば」と期待は大きい。
タカノでは10数年前に標高2千メートルを超える場所で高嶺ルビーの栽培に成功しているが、「不耕起栽培」との組み合わせはテストケースともなる。
今回は牧草の上から種をまき、刈り取りながらからめていく播種方法で、通常栽培の約4倍の種を用いた。
同社企画室の北林広巳係長は「土に届かなかったり水で流れることもあるため種を多くした。気象や土壌条件も生育に関係するが、うまく花が咲いてくれれば」と話した。