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駒ケ根市の中間教室で子どもたちの成長を見守る
塩尻市
百瀬千秋さん

駒ケ根市の中間教室で子どもたちの成長を見守る<br>塩尻市<br>百瀬千秋さん

 中間教室は学校の校地外にある支援教室。ここには、さまざまな事情で学校に登校できなくなった子どもたちが通ってくる。その教室の指導員として、子どもが自分のペースで学校に復帰できるよう、支援している。
 「ここに来る子たちは基本的に純粋でまじめ。善悪の判断もしっかりしている。しかし、世の中が変化する中で、そうした人間的な子どもたちほど、困っているのが現状。そういう姿を見ると『誰かがこの子たちの側にいてあげなければ』と強く感じます」と話す。
 ◇ ◇
 十数年前までは教員として各地の学校で勤務していたが、当時の子どもたちは、反社会的な行動をとることで世の中への不満をぶつけていた。
 「生徒指導もしていましたが、ネクタイをつかまれ持ち上げられることもよくありました」と振り返る。
 しかし今、中間教室へ通ってくる子どもはそれとは正反対。親や友人、先生などとの対人関係に疲れ、さまざまなプレッシャーを背負いながら自分を見出せずにいる。一人ひとりが抱える不安や悩みのもさまざまだ。
 「本当は親に悩みを打ち明けられるのが一番いいんです。それができないというのは切ないですね」と語る。
 ◇ ◇
 ここへ来てからしばらく経ったころ、中間教室に通い始めた一人の女の子が思いを打ち明けてくれた。
 生徒なら誰もがもらえる通知表。しかし、その子の通知表には「授業にでていないので評価できません」の文字。
 ああ、私を見てくれる人はいないんだ竏秩B 彼女はそう実感したと話した。
 衝撃を受けた。その子が感じた疎外感、孤独感がひしひしと伝わり、切なかった。
 その後、急いで自分の家にあった画用紙を持ち出し、中間教室に通う児童や生徒一人ひとりのための通知表を手づくりして配った。一般的な通知表とは違い、子どもたち自身がメッセージを書き込む欄も設けた。
 するとその子は1学期、2学期と月日を経るごと元気を取り戻していった。1年が終わる3学期の通知表には、こう書かれていた。
 「この中間教室に来てとても良かったです。来年も毎日休まず、一日一日を大切にしていきたいな」。
 嬉しかった。
 「それぞれ時期は違いますが、多くの子どもたちがそうやって成長していきます。一日一日を肥やしにして。それが私の何よりの生きがいです」と笑顔を見せる。
 ◇ ◇
 今では、ここを巣立った子どもたちが社会人となり、さまざまな職場で働いている。そして、時々顔を出す。
 「職種もいろいろですが、それぞれ誇りを持って仕事をしている姿を見ると、心からすごいなと思います。自分が支える側となり、悩んでる後輩をサポートしてくれる子も多い。痛みを知っているからこそ、優しくすることもできる。だから、ここの子どもたちは一番人間らしいんです。子どもたちには自分で自分の生き方、進み方を見つけてほしい。そしてみんなに幸せになってほしい」

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