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【記者室】忘れるな駒ケ岳の悲劇

 毎年この時期になると上伊那のほとんどの中学2年生は集団登山で駒ケ岳(2956メートル)に登る。今でこそロープウエーの恩恵で誰でも気軽に登れる山だが、95年前に大惨事が起きたことを知らない人も多い。
 登山は中箕輪尋常高等小学校(現箕輪中)が教育の一環として他に先駆けて始めたが3年目の1913(大正2)年、突如襲った台風のため教師、生徒など37人中11人が不幸にも亡くなった。一部始終は新田次郎の小説『聖職の碑(いしぶみ)』に詳しい。
 小説は映画化もされ、多くの学校で登山前の生徒が見ている。登山の途中、遭難記念碑の前で説明する学校もある。朝に夕に眺める駒ケ岳で悲劇があったことをこの地域の史実として語り継いでいってほしい。(白鳥文男)

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