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県伊那文化会館プラネタリウム担当
松尾美恵さん(25)有賀鮎子さん(24)

県伊那文化会館プラネタリウム担当<br>松尾美恵さん(25)有賀鮎子さん(24)

 ドームに映し出される満点の星空。まるで宇宙に抱かれているようなプラネタリウム。9月から秋番組「プラネテス縲恚罇ッの空縲怐vを投映している伊那市の県伊那文化会館プラネタリウムの“星空案内人”だ。
 「小さいころから星が好きで、学校の自由研究も星を選んでいた」という松尾美恵さん。文学少女で神話から星の世界に入った。中でもアルゴ星の話が好きで、「星座は分からなくても、神話だけは知っていた」。空を見上げては三ツ星やカシオペアを探していた。
 この仕事は3年目。イベントの仕事をしたいと同館に職を求め、プラネタリウムの話をもらった。「星好きの私がプラネタリウムに引き寄せられたのかな」という。
 88年8月に開館したプラネタリウム。当時小学1年生で、4年生ころまでずっと通っていた有賀鮎子さん。「暗いところが好きだったので、暗いドームに絵が出てきてきれいだったのを覚えている。印象に残っているのは、神話をやっていてカシオペアが出てきたこと」。星ブームで、小学校の授業も星の勉強時間が長く、流星群は毎年見ていた。
 大きくなってプラネタリウムのことは忘れていたが、求人を見て「やってみたい」と応募。2年目になる。
 イベントの企画、番組決め、準備、投映など、プラネタリウムの仕事全般を受け持つ。幅広い年齢層が利用するため、年4回の番組に子ども向け、大人向けなど一つずつニーズに合った番組を選ぶ。
 星空の生解説もする。初めは「緊張した」「手が震えた」という二人。今は、「お客様の反応を見ながら話すことを少し変えたり」と余裕も見せる。知っている星座の話は客の反応もよく、夏はさそり座が特に好反応だったという。
 「興味を持ってもらえるように、面白く、分かりやすくを心がけている」有賀さん。松尾さんは「聞きやすいようにしたい。楽しく、ちょっと『くすっ』とするところがあってもいいかな」と。
 音楽と共に星空を楽しむ「星空☆CDコンサート」は、番組作りから手掛ける。テーマを決め、シナリオを作り、選曲。校正を繰り返して完成させる。
 「コンサートといってもここはプラネタリウムなので、星空にうまくからめていくような内容を考える」「星に興味がない人でも、コンサートに来たことで空を見上げるようになるかもしれない」
 訪れた人に星に興味を持ってほしいと、伝える一言のために本や雑誌、インターネットなどをフル活用して調べる。楽しい番組、分かりやすい解説のため、勉強も欠かさない。
 日本中のプラネタリウムは今、利用者が減少傾向にある。同館も例外ではない。初めて訪れた人が、「こんなにいいプラネタリウムなのに…。もっと多く来てほしいね」と話していくこともある。
 「ただ星を見るだけの場、いやしの場としても使えるけど、いろいろなことができる」。環境問題、気象、宇宙飛行士など、さまざまに派生させることができ、その逆もある。「星に興味を持つならいろいろなところからでいいと思う。プラネタリウムをきっかけにいろんなことに関心を持ってもらえたら」
 「子どもたちにたくさん見てほしい」。二人の願いだ。

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