入笠牧場で牛の下牧
伊那市高遠町の入笠牧場でひと夏をすごし大きくなった牛たちが25日、里に下ろされた。
畜産農家やJA上伊那の職員らが参加して、牧場に放されていた牛を検査し、里に下ろす作業が行われた。
牧場では、肉牛や乳牛130頭が、この夏を過ごした。
この一帯では、生後6ヵ月以降の乳牛のメス75頭が放されていた。雌の中に雄が一頭放されていて、子どもを産ませ牛乳が取れるようにするため、放牧の間にタネをつける。
検査では、妊娠しているか、健康状態はどうかをチェックしていた。
牛たちは、名残惜しそうに、職員に引かれていった。
放牧をすると足腰が強く、また、飼料代の節減になるということで、今年も諏訪や上下伊那の畜産農家40軒が牛を放した。
関係者は、「飼料代も高騰し厳しさが続くが、入笠で育った牛の牛乳をたくさん飲んで欲しい」と話していた。
入笠牧場にシカの捕獲檻
牧草などに被害をもたらす日本ジカを捉えようと、入笠牧場には、捕獲檻が設置されている。
これは、去年11月に県や伊那市、JA上伊那など各種団体が費用を負担し設置した。
牛を里に下ろしたこれから、本格的に捕獲が行なわれることになる。
牛を里に下ろす作業は、今年は例年より1週間ほど早まった。気象条件などにより草の生育が悪かったこともあるが、シカが牧草を食べてしまうことも原因となっている。
牧草に被害をもたらすシカの捕獲に期待がかかるが、シカも警戒心を強めているということで檻に寄り付かず、関係者は「人間とシカの知恵比べだ」と話していた。