医療シンポジウム
医療の実態考える
医師不足などの上伊那の医療問題や実態について考えるシンポジウムが13日、伊那市で開かれた。
シンポジウムは、医療を提供する医師と受ける側の住民が医師不足などの問題の背景や実態について共に考える機会にしようと上伊那広域連合などが開いた。
最初に、埼玉県済生会栗橋病院副院長の本田宏さんが「地域の医療を守るための処方箋」と題し講演した。
本田さんは、「日本の医師数は26万人と言われているが、80代90代も含んでおり65歳以下だと22万人。医師の養成には10年から20年の歳月が必要で団塊世代に医療が必要となる時期に備え今が手を打つ最後のチャンス」と話した。
パネルディスカッションでは、上伊那地域の医療や医師不足について意見交換が行われた。
伊那中央病院の小川秋實院長は、「医師の病院勤務の過剰労働を少しでも減らさなければならない。休日・夜間の1次医療は開業医や診療所で看てもらいたい」と述べた。
また、昭和伊南総合病院の長崎正明院長は、「上伊那地域の住民の生命・健康を守るには公立3病院の連携・機能分担を病院間で検討していく必要がある」と話した。
また、これからの上伊那の医療について、渡辺庸子衛生部長は、「病院の機能を保ち、3病院がお互いに協力していく方向が望ましい」。安心して安全な出産が出来る環境を考える会代表の須田秀枝さんは、「医療を守るにはみんなでこの地域の病院を大切にして上手に利用しなければならない。上伊那全体の医療のあるべき姿を考えることが必要」と話していた。
コーディネーターを務めた伊那保健所長の山崎宗廣さんは、「病院・行政・住民が問題意識を共有することが、この地域の医療について冷静で新しい話し合いスタートの第一歩になる」とまとめた。
【伊那ケーブルテレビジョン】