板倉副知事が粉末冶金のナパックを視察
板倉敏和副知事は8日、上伊那地方を視察。駒ヶ根市の粉末冶金メーカー「ナパック」(鈴木隆社長)も訪れ、省エネ、省資源の工法としても注目を浴び始めた同社の技術力にふれた。懇談で鈴木社長らは、現実に即した行政側の柔軟な企業支援を要望。副知事は本誌の取材に「上伊那は頑張っている人たちや企業が数多い。県は財政的に厳しいが、職員が現場に足を運び、知恵と汗で手助けできる方策を互いに理解を深めるなかで構築していきたい」と話した。
金属の粉を強い圧力で押し固めて成形し、高温で焼き固めて機械部品にする粉末冶金。鈴木社長は「金属を切ったり削る切削加工は原料の歩留まり率が5割程度だが、粉末冶金の場合は9割にも達する。我が社では95%ほどで、省エネ、省資源の工法といえます」と、県内では他の追随を許さず環境にもやさしい同社の事業内容を板倉副知事に紹介した。工場内も見学し、副知事は上伊那の地で着実に技術力を積み上げてきた同社の企業風土に感心しきり。鈴木社長は「我々の理念は日本国内でものづくりをすること。良い仲間、良いアイデア、良い仕事をするためには人ありきだと考えています」とも説明した。
懇談では、制度資金をはじめとした行政の企業支援のあり方に話しは及び、副知事は「現実に即した制度になるよう変えていく必要もある」との認識を示した。副知事はこの日、中川村で開催中の赤そば花まつり、宮田村の日本聴導犬協会、伊那市の県伊那文化会館、箕輪町の箕輪進修高校も視察した。