上伊那教育会が少年の塔慰霊祭
戦争中、満蒙開拓義勇軍として満州で命を落とした若者の霊を慰める「少年の塔慰霊祭」が27日、伊那市の伊那公園で行われた。
慰霊祭は、上伊那教育会が毎年行っているもので、今年は役員など26人が集まった。
北原和俊会長は「多くの若者が義勇軍として満州へ渡り、若き命を散らせた。私たちはこの負の遺産を風化させることなく、永久に語り継ぎたい」と話した。
また、実際に満蒙開拓青少年義勇軍として満州に渡った伊那市の北原和夫さんは「終戦後は強制労働を強いられた。生活は飢えと病気との闘いで、本当に今思い起こしても言葉に詰まる」と当時を振り返った。
上伊那教育会の保存資料によると、昭和12年から昭和19年までに送り出された上伊那出身の青少年義勇軍は507人。終戦後、強制労働に就き、伝染病などで命を落とした若者は89人に及んでいるという。
戦争が進むに連れ、14歳から19歳までの青少年団員も満州へと送り出されるようになった。
参列者は少年の塔に花を手向け、平和への願いを強くしていた。