経営承継セミナー
中小企業の経営の承継をスムーズに進めるためのセミナーが5日、伊那市の伊那商工会館で開かれた。
セミナーは、上伊那の8つの会計事務所と伊那商工会議所が共催で開いた。
承継問題について、後継者が育たない、相続税について心配などの声に応えようと6年前から開いている。
この日は、実際に父親から会社を承継した駒ヶ根市の天竜精機(株)の芦部喜一社長が講演した。
天竜精機は、携帯電話の部品などを製造している会社で、芦部さんは突然の父親の死により会社を引き継ぐ事になった。
他の会社に勤めていた芦辺さんは、自分の仕事も楽しくなってきた時期で、戸惑いも大きかったという。
引き継いでからは、社員一人ひとりと何時間も面談し、個人の技術力に頼っていることや、社員の会社に対する意識が低いことなどに気付いた。
そこで、若手社員に面接官を勤めさせるなどの取り組みをしたところ、社員の会社に対する愛着が増し、リーダーの生まれる組織作りが進んだという。
松崎会計事務所の松崎堅太郎さんは、「日本の企業の90%以上が中小企業。その企業が承継できずにだめになったら日本の産業が危うい。こうしたセミナーが経営の助けになり、地域の活性化にもつながれば」と話していた。