花王の前会長後藤さんが講演、駒ヶ根市経営講座
駒ヶ根市経営講座(市など主催)は7日開き、洗剤、化粧品など製造大手「花王」の前会長後藤卓也さんを講師に迎えて地元経営者ら約60人が耳を傾けた。良い製品をつくり販売するには、従業員の力を結集した総合力が不可欠であると説明。組織として全体のモチベーションをあげるコミュニケーションの必要性を指摘し、社員同士が向き合える企業風土の確立が大切と話した。
「100人いて全員がリーダーになれるわけではない。フォローする人の育成が企業の総合力につながる」と後藤さん。普段は光が当たらないが地道に仕事をして企業を支えている社員にも目を行き届かせ、配慮することがリーダーとしての役割と続けた。
「多様の力が発揮してこそ企業が成長していく」とも語り、「社員を大切にしないでお客様を大切にすることができるだろうか。社員がしっかりしないで、お客様に喜んでもらえる仕事はできないはず」と人あってこその企業であることを繰り返した。
資金運用などで利益をあげるような財務活動を花王は一切していないと説明。「ものづくりがメーカーの原点であり、日本の原点。技術力あればこそ、社会に貢献できる」とも。
同社の商品開発などにもふれ、開発力、生産力、宣伝力、営業力など一つでも欠けたら成功しないと話し、「常に危機意識も持ちながら愚直なまでの基本の徹底。本当にやるべきことを常に見直しながら仕事をしなければ」と締めくくった。