伊那地区野生鳥獣保護対策協議会
上伊那地区野生鳥獣保護対策協議会が12日、伊那市の伊那合同庁舎であった。
同協議会は、上伊那8市町村や県、信州大学などで組織するもので、農作物への食害が深刻となっている野生動物の対策について検討している。
そのうちニホンジカについては、毎年、上伊那猟友会の協力のもと、地区を限定して一斉に捕獲する「広域捕獲」を実施しており、この日は本年度の広域捕獲の実施計画などを確認。
昨年度までは上伊那地区3ヶ所で広域捕獲をしていたが、本年度は伊那市高遠町荊(ばら)口(ぐち)地区を新たに増やし、4ヶ所で実施することとなっており、実施日は、伊那市高遠町の入笠牧場が12月6日、荊(ばら)口(ぐち)地区が12月14日、伊那市長谷、三峰川上流で12月中に、中川村小渋ダム周辺で来年2月16日以降に行う。
伊那市内で行う広域捕獲計画では、高遠町地区で50頭、長谷地区で175頭を捕獲する計画で、全体では225頭を捕獲する。
また、本年度からはわな猟に限り、1ヶ月狩猟期間を延長していることなどを確認した。
そのほかにも、南アルプス食害対策協議会の報告もあり、信州大学の竹田謙一准教授は「南アルプスでは、食害の影響で土壌が流れ出している場所が出てきている。また、植物の種類も単純化してきている」と指摘した。