上伊那の魅力的な食品、東京の商談会「フードセレクション」でPR
八十二銀行をはじめとした地方銀行が主催し、全国各地のあらゆる食の産品が集まる商談会「フードセレクション2008」が11日、東京ビッグサイトで開かれた。3回目の今年は354業者、県内からは40業者が出展。上伊那からも魅力的な「食」を生産、販売する業者が複数出展し、飲食店や流通業界のバイヤーらが多数訪れて品定めした。食の安全性が問われるなか、信州伊那谷の豊かな風土に育まれた産品の数々は高い注目を集め、「おいしさと安全安心を消費者は求めている。環境的なイメージや製品に対するストーリー性、こだわりなど、信州の産品には魅力も大きい」と話すバイヤーもいた。
宮田村の製造業マスダが運営する宮田とうふ工房は、県内産大豆「ナカセンナリ」のみを用いる自慢の豆腐製品を試食交えて紹介した。新製品として来春に本格販売を予定する「そばとうふ」や大豆手づくりのかりんとうなども用意。
試食した東京や仙台などで外食産業を展開する担当者は「おからを出さず栄養素を丸ごと残した豆腐は可能性を感じる。消費者は添加物にも敏感。都会の人たちは食に非日常的な要素も求めており、宮田とうふのようなうんちくを語れる商品を我々も求めている」と話した。
豆腐という消費期限が限られる商品だけに広く流通させるには難題も抱えるが、同社顧問の小原勇さんは「ネット販売や観光とリンクさせるなど次に向けて戦略を練っていきたい」と話した。
飯島町の食肉製造販売「大成」は都市圏でも認知度が高まっている馬肉製品を用意。馬刺しだけでなく、ジャーキー、レトルトなどもPRし、商品の幅の広さも売り込んだ。
駒ヶ根市の中央道駒ケ岳サービスエリアでレストランを経営し、地元名物のソースカツ丼とその関連商品を販売する信南サービスは初出展。異色の「ソースカツ丼キャラメル」や、カツ丼用ソースは大手コンビニなどの目にも留まったが、同社の木下世貴開発室長は「数量的な問題など宿題も頂いた。研究も重ねて、駒ヶ根のソースカツ丼をさらに広めることができれば」と話した。