身寄りの無い人のお墓、伊那に完成
東京都台東区の「山谷」地区にあるホスピスで最後を迎え、親族や引き取り手の無い人の遺骨を納める墓が伊那市西春近の「やすらぎ霊園」に完成し、17日、関係者など10人が参列する中、納骨式などが営まれた。
この墓は、東京の山谷地区でホスピス「きぼうのいえ」を運営するNPO法人山谷・すみだリバーサイド支援機構がつくったで、墓は宗教にとらわれない形式で建立。31人の遺骨が納められた。
「きぼうのいえ」は、ホームレスや路上生活者など、身寄りが無く、病や人生の苦難にある人々に、安らかに最後を迎えてもらおうと、6年前に東京の山谷地区に開設した。これまでに、82人が最後を迎え、37人の遺骨は、親族や様々な事情により、引きとられる事無く、この施設の礼拝堂や東京の谷中霊園に安置されていた。
そのため、同団体は、都内で墓を作る土地を探していたが、宗教や広さなどの問題があり、見つける事が出来ずにいた。
そんな中、代表の山本雅基さんの妻・美恵さんが伊那の出身で、故郷伊那の「緑や木に囲まれた美しい景色の中で眠ってほし」との願いや、親戚である唐木屋石材工芸の協力もあり、この場所に墓を作る事となった。
代表の山本さんは「最後の住む場所を提供でき、ほっとした」と話していた。