信州大学農学部で就職面接セミナー
金融不安による景況感の悪化で売り手市場から一転、氷河期の再来とも危ぐされる学卒者の就職。2010年3月卒業予定者の就職活動は既に始まっているが、南箕輪村の信州大学農学部は1日、就職希望の学生を対象に面接対策のセミナーを開いた。年明け早々にも面接を含めた就職試験をスタートさせる企業は多く、学生たちは本番さながらに模擬面接などを受けてスキルアップにつなげた。
個人と集団で行った模擬面接。面接官は学生たちに「自分の強み」「学業で得たもの」「最近気になっているニュース」など質問した。
アルバイトや部活動など生活全般の実体験を通じて話題を展開する学生の姿も。面接官役を務めた信大就職相談員で県の若年者就業支援アドバイザーも務める中島常隆さんは「失敗も含め経験から学んだことを企業としては大いに知りたい部分。結論と理由を具体的に押さえて普段から話せるようにしておくことが大切」と説明した。
面接を終えた森林科学部3年の細川智博さん(21)は「時事問題を知らないので、もっと自己分析もしながら就職活動を進めていきたい」と話した。
同農学部では半数以上が大学院に進学するが、就職希望者には信大キャリアサポートセンターが行う各種支援プログラムのほか、学部独自でセミナーや合同企業説明会も開くなどしてバックアップしている
同センターの宇留賀勝義主査、光武聖子コーディネーターは「10年4月就職の学卒向け求人は現段階で企業の数は減っていないが、全体の求人数は絞り込まれる傾向にもある」と説明。その一方で依然として新卒採用を希望する企業の傾向は強いとみている。
「厳しさを感じて積極的に活動を始めている学生がいる反面、楽観的な人がいることも事実。自分のやりたい仕事、企業に近づけられるよう意識を高く持って臨んでほしい」と学生たちにエールを送る。