ごんべえ号 来年3月末で廃止へ
伊那と木曽を結ぶ連絡バス、ごんべえ号の運行が来年3月いっぱいをもって廃止となることが、16日伊那市役所で開かれた伊那市地域公共交通会議で決まった。
ごんべえ号は、伊那・木曽地域の交流を活発化させようと、今年4月から試験的に運行が始まった。
平日・休日ともに1日あたり8便4往復していて、今年4月から9月までの乗車人数は累計で2977人、1便あたり2人。ダイヤ改正後の7月から10月までの乗車人数は累計で2308人で、1便あたり2・4人だった。
運行状況は、ダイヤ改正により利用増加を図ったが、低調な状況が続いた。また、およそ3割の利用者は伊那中央病院やみはらしファームなど、市内の利用だったという。
会議では、これらの状況から、ごんべえ号の運行廃止を決めた。
委員からは、「予想以上に厳しい状況。このような状況ではやむを得ない」「期待の割に利用に結びつかなかった。自家用車で移動する人の割合が多い」などの意見が出された。
一方、「利用客が少ないから廃止するのではなく利用者を増やしていく方法を考えるべき」「もう1年料金を下げて1日2往復ぐらい運行してみては」など、存続を希望する声もあった。
事務局では、「バスの運行に年間2600万円の費用がかかる。そのお金を地域の交通機関に優先した方がよいのではないか」と話している。
小坂樫男伊那市長は、「一番あてにしたのは観光客と病院だったが意外に伸びなかった。アンケートでは乗ってくれるのではという感じだったが、残念」と話した。