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伊那市の一年を振り返る

 今年も残すところあとわずか。今日から3日間、ICTエリア内3市町村の主な出来事を振り返る。初日は伊那市のこの1年。
 ▼上伊那の燃やせるごみを処理する新しいごみの中間処理施設の最終候補地が、伊那市富県の「桜井天伯水源付近」に決まった。
 市民代表としての用地選定委員会の議論・手順を踏んでの結論で、候補地すべてを数値化し、最後は投票で決定した。
 7月からは、地元桜井や北新との住民懇談会も始まり、市や広域連合は、地域住民の不安を解消しようと先進地視察などを行っている。ただ一部で反対する住民もあり、いかにしてコンセンサスを得、施設建設の前提となる環境アセスにいつ入るのかが注目される。
 順調にいった場合5年後の平成26年には新しい施設が稼働する見通し。
 ▼今年は、合併により伊那市の財産となった南アルプスが各方面で注目された一年だった。
 1月には、世界自然遺産登録に向けた学術調査検討委員会が発足。
 8月には、貴重な高山植物の植生を復活させようと、シカの食害から花を守る防護策が設置された。その後の調査でこの柵は一定の効果があったと報告されている。
 12月には、地質構造が貴重だとして、日本ジオパークに認定され、南アルプスの格がまた一つ上がった。
 ▼今年は、見送り、休止、廃止の年でもあった。
 3月にヤマウラの伊那スキーリゾートからの経営撤退が表面化し、11月に今シーズンの営業休止が決定した。
 6月、長谷地域に国が建設を計画していた戸草ダムの建設見送りが報じられ、地域住民らは、美和ダム上流域の治水対策の必要性を訴えた。
 小坂市長や県議会議員らは、7月に戸草ダム建設推進を求め県に対し要望した。
 国からは、これまでに具体的な代替案は示されていない。
 権兵衛峠開通をきっかけに試験的な運行を開始した伊那と木曽を結ぶ定期バス、権兵衛号が来年3月をもって廃止されることになった。
 運行時間を変更するなど試行錯誤を試みたが、乗車人数は期待に反して伸びず、一便あたりの平均は3人以下だった。
 ▼伊那インターチェンジへのアクセス道路と国道153号を結ぶ環状北線が10年の歳月と52億の巨費を投じて3月に完成した。
 伊那建設事務所によると、伊那インター方面からの車の半数以上が直進して環状北線を利用しているという。
 ▼高遠ゆかりの名君、保科正之公をNHKの大河ドラマに採用してもらおうと、活動が大きく前進した。
 2月には全国組織が発足し、7月には県議会議員の会が、12月には市町村議員の会が設立され、署名は30万人を突破した。
 全国組織の会長を務める小坂市長は、「大きくはずみがついた」と手応えを感じているようだった。
 年明け早々にNHKに署名を提出し、再度ドラマ化を働きかけることにしている。

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