厳しい寒さ 伊那で寒天作り
諏訪地方の冬の風物詩として知られる寒天作りが、伊那市でも行われている。
伊那市東春近の天竜川沿い。
一昔前は、伊那市内でも数軒の家で寒天作りをしていたが、今では珍しい光景となった。
天然寒天の製造・販売会社「小笠原商店」は8年前、富士見町から伊那市に移り、この地で寒天作りを始めた。
作業はまず、原料の天草を煮溶かし、型に入れて固める。それを機械で糸状にして押し出し、丁寧に広げる。
その後、水分を抜くために寒天を外に干して乾燥させる。寒天の水分が完全に抜けるまで約2週間、干す作業を繰り返す。
寒天を外に並べる作業は早朝、太陽が昇る前から始まる。
日の出前は寒さも一段と厳しさを増すが、小笠原さんは、この寒さが不可欠だと話す。
こうして作られた天然寒天は東京の高級和菓子店などで使われていて、食感も良いという。
作業のピークは、1年の中でも最も冷え込みが厳しくなるこの1カ月ほどだという。