各地で獅子舞
「羽広の獅子舞」幽遠に
伊那市西箕輪仲仙寺で18日朝、羽広区の小正月の伝統行事、五穀祭があり、羽広の獅子舞が奉納された。
羽広の獅子舞は雄獅子と雌獅子が同時に踊る全国的にも珍しい舞で、400年の歴史がある。
「阿吽の舞」では、雌獅子は口を大きく開けて静かに舞う一方、雄獅子は口をほとんどふさいだまま、は勇壮に舞う。
仲仙寺本堂では、笛や太鼓に合わせ、剣を手にした「剣の舞」や悪魔払いの舞などが、約15分にわたりって続き、アマチュアカメラマンなどが2頭の獅子の舞を写真に収めていた。
舞い合わせは前日の練習で初めて行ったが、保存会では「息が合い、うまく踊れたのではないか」と話していた。
また同日、伊那市高遠町上山田の引持でも、地区に伝わる獅子舞が披露された。
引持の獅子舞は、獅子とひょっとこが舞うもので、暴れる雄獅子の勇壮な舞と、ひょっとことのユーモラスな仕草を組み合わせたところが特徴。
会場となった引持生活改善センターには、地区に伝わる舞いを見ようと住民約70人が集まった。
引持組合長の前田裕敏さんによると、この獅子舞は五穀豊穣や家内安全を願う地区伝統の「御日待」の行事のなかでおこなわれていたという。
御日待の行事は地区住民が集まり、徹夜でお酒を飲んだり、芸を披露して日の出を待つもので、毎年1月17日に行われていたという。
今はその中の獅子舞だけが残り、多くの人が集まれるようにと17日に近い日曜日に行われるようになった。
集まった人たちは獅子舞を楽しみながら、今年1年が良い年になるよう願っていた。