中米研修生が伊那市を訪れる
「あいの会」に農村の生活改善を学ぶ
国際協力機構(JICA)の研修で中米などから日本を訪れている研修生が28日、伊那市手良の農村女性グループ「あいの会」から、農村部の生活改善を学んだ。
この日はグアテマラやパナマなどの8カ国から訪れた研修生17人が、伊那市手良を訪問。「あいの会」から、会が発足した経過や、現在の活動などについて、説明を受けた。
「あいの会」は、当時、収入を得る方法がなかった農村の女性らが集まり、20年前に発足。女性たちは、直売所経営や切花販売を通じて、自分たちの収入を得る手段を獲得してきた。
また、現在は地元の子どもたとへの食育活動にも関わっている。
この日は、女性たちが手作りした地域の郷土料理なども振舞われ、研修生たちはさまざまな料理にはしをのばし、その味を楽しんでいた。
コスタリカから参加している女性は「コスタリカでは、依然として男性優位の伝統が残っている。女性たちの活動には、とても興味をもった」と話していた。
研修生は来月25日まで日本に滞在し、日本の農村の生活改善を学ぶ。
またこの日は、この研修でコスタリカから訪れた研修生と、地域住民でつくる「非核平和都市宣言をさらにすすめる伊那市民の会」が、信州大学農学部の「食と緑の科学資料館」で懇談した。
懇談会は、軍事費ゼロ、軍隊をもたないコスタリカについて知ろう竏窒ニ、市民の会が企画した。
この日は市民の会の会員9人が集まり、コスタリカの人たちに平和についての考え方などを質問した。
懇談では、コスタリカには武力をもたないことに反対する人がいないこと、学校で平和教育が活発におこなわれていることなどの説明があった。
コスタリカには平和大学と呼ばれる学校があり、世界中の学生が平和について学んでいるという。
参加者からは「日本とコスタリカが情報交換をしながら、平和交流を深めていければよいのではないか」などといった意見が出た。
市民の会では「子どものころから平和や人権に関する教育がしっかりおこなわれており、学ぶべき点が多かった」と感想を話していた。