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食と健康の産業観光プロジェクトが養命酒を視察、意見交換

食と健康の産業観光プロジェクトが養命酒を視察、意見交換

 上伊那の食品、飲料を製造する18社が参加する食と健康の産業観光プロジェクトは28日、工場見学の先駆者で近年は心と体の健康がテーマの「健康の森」として見学施設の充実を図り広く敷地内を一般開放している駒ヶ根市の養命酒製造駒ヶ根工場を訪れた。先進企業の取り組みにふれるなかで意見交換。工場見学だけでなく、周辺の自然環境を存分にいかして癒しや感動を与えるさまざまな仕掛けに、出席した経営者からは「お客様を満足させることを常に感じて実践されている。学ぶことが多い」などの声が聞かれた。
 1972(昭和47)年の開設と同時に一般見学者を受け入れてきた駒ヶ根工場。大森勉副工場長は「当初は養命酒を知ってもらい、商品のイメージアップを図るために工場見学を始めた。しかし、時代が変わり今は地域にも貢献しリピーターになってもらうことが大切。見学だけでなくプラスアルファの要素を考え、3年前に健康の森を立ち上げた」と概要を話した。
 健康の森グループリーダーの関森雅裕さんは「すばらしい空気と森林に囲まれた環境の中で養命酒が作られていることを伝えようと、施設を点在させ敷地内を歩いてもらうようにゾーン分けもおこなった」と説明。
 一方で「養命酒は年配の方にご愛飲されているイメージがあるが、健康の森ではそれを裏切るような企画展開も考えた」と語り、スイーツが楽しめるおしゃれなカフェや酒蔵を改装した記念館で行う各種体験講座などを設けたことにより、「家族連れやカップルの来場者が増えた」と続けた。
 意見交換で、工場見学に意欲を持っている菓子製造業の経営者は「おもてなしのスタンスが随所にみられる」と感心しきり。「自然を保護しながら事業をやっていることがすばらしい」といった声もあった。
 関森さんは、自然と密接した立地関係ならではの苦労にもふれ「従業員にも理解してもらわないとこのような環境でやっていくのは難しい。私たちは20年後、さらに50年後に本来の森の機能に戻していくような考えでやっています」と話した。
 同プロジェクトは県の呼びかけによる上伊那地域観光戦略会議の分科会として、昨年末から本格的に始動。食品産業と観光の融合のあり方を探っており、前回も先進企業視察として伊那食品工業で意見交換を行った。
 事務局の上伊那地方事務所商工観光課は「できる所から始めていくことが大切では。今回の養命酒さんの取り組みでも、従業員が敷地内の環境整備を徹底していることなど勉強になった」と話した。次回は来月23日に県の担当職員を招いて景観の学習を深める。

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