県商工労働部長をゲストに伊那CATV番組「伊那谷経済展望」
伊那ケーブルテレビの自主制作番組・伊那谷経済展望ウィークエンドセッションの2月放映号は「100年に1度の不況、どうする上伊那経済」をテーマに、県商工労働部の荒井英彦部長をゲストに招いた。ゴーシュの毛賀澤明宏編集長を司会に、このほど伊那市で開かれた県議会政策タウンテーブルの様子を交えながら産業振興策や雇用対策など課題を聞いた。厳しさ増す経済状況に対して、荒井部長は足元を見つめ直す大切さを強調。「景気が良いときの幻想に追われてつい本質的な部分を見失いがちだが、今は自分たちができること、さらに将来に向けて何をすべきか考える時。その中から新たなものが生まれてくるのでは」と話した。県内製造業のマーケティング力の弱さも指摘し、技術力をさらに高めながら売り込む戦略を県としても後押ししていく考えも示した。番組は土曜日午後9時、日曜日の正午などに放送する。
荒井部長は県の緊急経済対策や中小企業を対象に実施した経営実態のアンケート調査、さらに産業振興戦略プランを紹介しながら、未曾有の不況下にある県内経済の状況を解説。
「時間の経過とともに深刻になっている。底が見えない状況が続いている」と分析し、上伊那を含む南信地域の雇用不安について「今まで求人倍率が高かった地域だけに、それだけ下落率も大きくなっている」と話した。
春までに職を失う非正規労働者数が全国2位とも言われる県内だが、緊急融資制度などを創設して対応を図っていると説明。今後についてもニーズをみながら「弾力的に考えていきたい」と語った。
また「今回の不況は長野県の技術に何か原因があったというものではない。県には高度な技術が集積しており、それは宝」と強調した。
反面、製造業のマーケティング力について「親会社から与えられたニーズのみであったために、市場に売り込む力が弱かったのでは」と指摘し、県の産業振興戦略プランではその点も考慮に入れながら支援を強化していくと説明。工業技術総合センターへの相談が増え、具体的に官民一体となった取り組みも始まっているとふれ「厳しい状況だが、色々なことが芽生始めている。マーケティングは客のニーズを把握してつくりあげるもの。社内にサイクルをつくることが大切」とも続けた。
政策タウンテーブルでも話題になった人材育成などにも話題は及び、大学などとの情報連携、インターンシップの重要性など将来を見越した取り組みの大切さを語り合った。
伊那谷経済展望ウィークエンドセッションは、今まで放送していた1ch座談会を引き継ぎ月替わりで地域経済に軸足をおいた番組を放送していく。