南アルプス研究会20周年 記念シンポジウム開催
仙丈ケ岳の自然保護活動や暮らしに関する調査などをしている「NPO法人南アルプス研究会」の発足20周年記念シンポジウムが21日、伊那市役所で開かれた。
南アルプス研究会は、人と自然の関わりについて独自にテーマを設定し調査・研究し、行政機関に提言を行ってきた。
平成9年に完成した現在の仙丈小屋建設の際には、循環式トイレや風力発電、太陽光パネルの設置など環境に配慮した山小屋の提言をし、建設に活かされた。
シンポジウムでは、東京大学大学院の鬼頭秀一教授が、「地域づくりにおけるNPOの役割」と題し、基調講演をした。
鬼頭教授は「自然保護活動は、地域に住む人の生活や経済に与える負担を考え、今ある自然を維持する仕組みを作る事が大切。NPOは、生産性や収入にとらわれず、身近に自然に接する機会を提案する役割を担っている」と話していた。
南アルプス研究会の坂井昌平会長は、「山村地域にあった生活や暮らしの知恵が忘れられている。今後は、これらの知恵を掘り起こし、地域に伝えていきたい」と話していた。