南ア食害対策活動報告会
ニホンジカによる南アルプスの植物への被害対策を検討している南アルプス食害対策協議会が17日、活動報告会を南箕輪村の信州大学農学部で開いた。
対策協議会は、被害調査やシカの防護柵の設置などをしてきた。
報告会では、協議会に参加している団体がその状況を報告した。
そのうち南信森林管理署は、ニホンジカの罠による捕獲を昨年度から行っていて、3月13日現在、捕獲数は58頭だという。
管理署では、「初めての試みだが、期待を上回る成果があった」と報告した。
信州大学農学部は、動物、植物、土壌の3つの分野から調査をしている。
動物の分野を研究するチームでは、ニホンジカの行動を分析した。
それによるとニホンジカは、狩猟期間は猟が禁止されている区域で行動し、期間が終わると以前の生活区域に戻ること、綾線を越えて山梨県側と長野県側を往復していることなどを報告した。
そのうえで、綾線上にはシカの防護柵が設置できないことから、往復をいかに防ぐかが課題竏窒ニした。
協議会では、来年度もシカの防護柵のメンテナンスなどを継続して行うとしていて、「緊急避難的な対処療法だが、さまざまな機関と連携し、できることからやっていきたい」としている。