「南大東島で働けよ」
中古トラクタ、再生利用へ
宮田村の加藤さん、修理して送付
伊那谷で古くなった中古トラクタを再生・改造して、南大東島で利用する試みが始まった。
中古トラクタの修理をしたのは宮田村中越の加藤保男さん(68)。8月に伊那を訪問した南大東島青パパイア生産組合の平安山正治さんの依頼を受け、知り合いのディーラーを介して手に入れた4WD11馬力の中古トラクタを新品同様に生まれ変わらせた。
南大東島はじめ沖縄の離島は強い潮風のためトラクタなどの大型農業機械の損傷が激しい。新品を買っても中古を買っても、すぐサビが出てしまい、使用できるのはほぼ同じ期間。当然安価な中古品を求める農家が多いという。
加藤さんは以前から機械いじりが好きで、中古の農機具を自分で修理するなどしてきたが、7月に所用で立ち寄った伊那市の産直市場グリーンファームで、偶然、南大東島からの要望を聞き、「面白いと思って」引き受けた。
8月に島民が来た際にも島唄コンサートなどに出かけるなどして交流を深め、意見を聞いて、島のサトウキビ畑に適するように車輪とロータリーの幅が調節できる機能なども付加した。塩害に注意して、冬場の融雪剤エンカルに強い塗料を選び、普通以上に入念に塗り上げた。
加藤さんは「島に行ったことはないが、このトラクタが良く働いて島の人を助けてくれるのが夢。伊那谷の夕陽のオレンジと、島の青パパイアの緑で塗り分けた」と話す。
中古トラクタは近く梱包して発送。船便で島に送られる予定だ。