春の伝統行事、やきもち踊り
伊那市山寺に伝わる春の伝統行事・やきもち踊りが12日、山寺の白山社・八幡社合殿で行なわれた。羽織、はかまに身を包んだ保存会のメンバー36人が、集まった見物客の前で、ユーモラスな踊りを披露した。
やきもち踊りは、白山社・八幡社の春の例祭で毎年奉納されているもので、200年ほど前から踊り継がれている。県の無形民俗文化財に指定されており、足を振り上げ、飛び跳ねるユニークな動作などが特徴。前踊り、中踊り、後踊りに分かれていて、途中、2回、宴を挟み、魚の塩焼きを食べながらどぶろくを酌み交わし、キセルでたばこを吸う。
酔いが回り、足元がおぼつかなくなった踊り手に、観客からは「もっと足を上げろ」などとげきが飛んでいた。
最後の後踊りが終わると、踊り手は一斉に境内から逃げ出す。逃げ遅れて最後になった人には、1年間、厄がついて回ると言われているため、踊り手は下駄も履かずに飛び出す。
しかし、近年は、保存会の会長、原長四郎さんが、立場上、逃げ遅れ役をしており、今年も原さんが最後になった。
原さんはこのあと行われた直会で、厄落としをしたという。