文部科学大臣創意工夫功労者賞受賞
ハヤシプレシジョン伊那工場
宮下淳さん・向山洋平さん
辰野町にあるハヤシプレシジョン伊那工場で働く南箕輪村在住の宮下淳さんと向山洋平さんが、文部科学大臣の創意工夫功労者賞をこのほど受賞した。
今年度表彰されたのは県内で12人。上伊那地域では、宮下さんと向山さんの二人が受賞した。
伊那工場では、「ものづくりへの熱意が評価された」と、二人の受賞を喜んでいる。
ハヤシプレシジョンでは、トヨタ自動車が、燃費と出力の向上を目的に新しく開発したエンジンの部品、「プラネタリーギア」の製造を行なっていて、宮下さんと向山さんがその生産管理を任されている。
金型を部品に押し当てることで溝をつくる「転造」という手法が用いられていて、10ミクロン以下の技能が必要とされる。
素材への目配り、機械の特性を熟知している人でしか改良点は見つけられず、まさに匠の技が今回の創意工夫功労者賞受賞に結びついた。
このプラネタリーギアの生産技術は、トヨタ自動車本体でも確立されていない技術ということで、ハヤシプレシジョンでは、「マニュアル至上主義では表現できない匠技、現場主義が評価された」と今回の受賞を喜んでいる。
ハヤシプレシジョンでは、トヨタをはじめとする今回の不況で苦しい経営を余儀なくされている。しかし、このプラネタリギアの受注は、4年前から変わっていない。
1度もクレームが無いという10ミクロン以下の技能。
この不況を乗り越えるためには、ものづくりへのあくなき挑戦が不可欠と言えそうだ。