【カメラリポート】「風狂のうたびと」発刊
幕末から明治時代にかけて、伊那谷を放浪しながら1600余りの俳句を残した漂泊の俳人井上井月。
その井月の俳句とエピソードをまとめた本「風狂のうたびと」が発刊された。
「風狂のうたびと」は朗読会の台本として作られたもので、井月の俳句160句のほか、その解説、今に伝えられているエピソードなどを記している。
この本を執筆したのは、信州井月会代表の春日愚良子さん。長年にわたり、井月の俳句やその足跡について研究してきた。
春日さんは井月の句について、「緊張感があって非常に良い。正岡子規が始めた近代俳句よりも20年も前にこれらの句をつくっていることは、驚くべきことだ」と話す。
春日さんは10年ほど前、伊那市の県伊那文化会館の依頼により、朗読会の台本として「風狂のうたびと」を執筆した。
そして昨年、伊那市と松本市の劇団により再びこの台本による朗読会が開かれた。
春日さんは、「伊那の自然の素晴らしさと、ここに住む人たちの人柄の良さが、井月をこの地に留まらせたのだと思う。井月が残した俳句から当時の伊那谷の情景を感じてもらいたい」と話している。
井上井月の俳句とエピソードを朗読会用にまとめた「風狂のうたびと」は、現在書店で販売している。