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【カメラリポート】~法華道を残したい~

北原厚さんの取り組み

【カメラリポート】~法華道を残したい~

 伊那市高遠町芝平から、入笠山を抜け富士見町に通じる道、法華道。昔、山梨県から高僧たちが伊那谷に布教するため使った道とされ、往来も盛んだった。
 しかし過疎による集団移住で芝平から人がいなくなると、法華道も利用されることが少なくなり、昭和40年代には廃道になっていた。
 この道に、このほど案内看板が立てられた。立てたのは、北原厚さん。廃道となっていた法華道を、一人きりで10年間かけて整備してきた。
 北原さんは次のように話す。「高遠町芝平で生まれたので、古道・歴史の道があって、あまりにも廃れて廃道になってしまって、それをなんとか復興しようと思ったのがきっかけです。それで、(下草などを)刈り始めて今年でちょうど10年。最初はとにかく、40年ほどの間があって樹木や熊笹で道も分からないほどで、とにかく残そうと思って整備してきました」。

法華道に案内看板を設置

【カメラリポート】~法華道を残したい~

 北原さんが整備した道には、多くの人が訪れるようになっている。5月23日には、北原さんの案内で、伊那谷自然友の会のメンバーが法華道のツアーに訪れた。
 北原さんが立てた看板は、入笠山まで13本。
 芝平地区の言い伝えや自分の体験を交えて、法華道に残る地名を紹介した。
 爺婆の石という地名が残っている場所では、北原さんが次のように紹介した。「ここまでくると川の音が聞こえなくなって静かになって怖くなるよね。するとここに爺婆という石があって、小石を供えては無事・安全を祈りながら手を合わせて、この道を歩いたものです」。
 ツアーの参加者は、「歩きやすい道という印象。北原さんが立ててくれた看板と案内があったので、より愛着が湧きました。やっぱり昔の人たちの大事な道だったんだなというのと、(昔の人たちの)生活感を非常に感じました」と話していた。

法華道、そして芝平

【カメラリポート】~法華道を残したい~

 北原さんは、看板を設置したことについて次のように話す。
 「あそこ(芝平)に生活している人がいるなら、看板を立てなくても自然に土地のいろいろな地名を受け継いでいくけれども、あそこにいないからね。ここで私がやらなければね、(法華道に残る)地名が残っていかない、この思いだったね」

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