認知症モデル地区の手良で初会議
伊那市の手良地区が、認知症の人を支える地域作りを目指す県の認知症モデル地域に指定されたことを受け24日夜、住民に対し初の説明会が開かれた。
認知症モデル地域は、県が一昨年から県内1カ所を指定し実施している事業で、本年度は伊那市が指定された。
市では、認知症の人を支える地域作りのモデル地域として手良地区を選んだ。
説明会には住民60人ほどが参加し、モデル地域について説明を受けたほか、母親が認知症になった体験を持つ飯田市在住の関靖さんから話を聞いた。
関さんは16年間、母親の介護をした経験を持ち、当初認知症だということが分からず、理解しがたい母親の行動に苦しんだという。
関さんは、「ごはんを食べた直後に、食べたことを忘れる母に対し、ふざけているのかと何度も怒鳴った。どんどん壊れていく母親に優しくすることができなかった」と話し、認知症に対する知識を持つことの必要性を訴えた。
また、「認知症はだれもがなりうる病気。なってもいいような地域作りを進めてほしい」と話していた。
伊那市によると、今年3月1日現在、市内の認知症の人の数は850人ほどと推定されるという。
手良地区では今年度、認知症についての意識調査を2回に分けて実施するとともに、地域見守りマップの作成などに取り組んでいく。