JR東海 リニア中央新幹線工事費など試算結果説明
JR東海は29日、県内5地区の期成同盟会を対象に、リニア中央新幹線の工事費や所要時間なの試算結果についての説明会を松本市内で開いた。
説明会は、県の要望で地域との情報共有を目的に開かれ、上伊那など県内5つの期成同盟会の関係者約240人が出席した。
JR東海は、2025年に東京・名古屋間でリニア開業を目指していて、今月18日にルート選定の基本データとなる工事費や所要時間に関する試算結果を公表し、県などに伝えた。
JRの試算によると、伊那谷を通るBルートは、建設費が5兆7400億円、所要時間47分。
一方JRの想定する南アルプスを貫くCルートは、Bルートと比較して工事費で6400億円低い5兆1千億円、所要時間も7分短く40分となっている。
説明会は冒頭を除き非公開で行われ、出席者からはCルートの場合「トンネル工事費の積算根拠を明らかにしてほしい」「長野県は20年前から県民の総意としてBルートを決めていることを重く受け止めてほしい」などの意見が出た。
それに対しJR東海は「データの詳細は明らかにできないが過去のトンネル工事の経験か信頼できる」と説明。
またルートについては、「現在は国の指示に基づき、建設可能な3つのルートの調査を進めている段階」と回答した。
終了後に上伊那広域連合の小坂樫男伊那市長は、「JRはCありきで話をしている。データの根拠が示されなければ納得できない」と話していた。
JR東海の増田幸宏取締役は、「十分丁寧な説明ができ、理解を得たと思う」と話していた。
飯田の出席からは、Cルートを押す意見も出されたという。