芝平山絵図虫干し
伊那市指定文化財に指定されている芝平山絵図の虫干し行事が15日、伊那市高遠町の荒町公民館で行われた。
地区総代ら約20人が見守る中、1年間、木箱に納められていた絵図が取り出された。
この絵図は江戸時代、高遠と諏訪の境界で山の利権争いが絶えなかったため、江戸幕府が紛争が起きないようにと作った。
絵図は301年前の宝永5年(1708年)に作られたもので、争いが多かった芝平山には境界線が引かれている。
江戸幕府は高遠と諏訪の双方にこの絵図を渡し、境界線から先に立ち入らないよう命じたという。
虫干し行事は年1回、7月15日に行われていて、芝平山に接する御堂垣外、荒町、北原、栗田、四日市場、芝平の旧6カ村が持ち回りで行っている。
集まった地区総代らは江戸時代から伝わる貴重な絵図を興味深げに見入っていた。
虫干しにより痛んだところがないことが確認され、この日から1年間、この絵図は荒町で管理されることになっている。