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清水真砂子講演会

清水真砂子講演会

 子どもたちに良い本に出会ってほしいとの願いから97年に発足した「こどもの本の会としょとしょ」(滝沢千枝子代表)は1日、第10回記念講演会として、長編ファンタジー『ゲド戦記』などの翻訳で知られる清水真砂子さんによる『翻訳の面白さ、難しさ-ゲド戦記を軸に』を駒ケ根市の駒ケ根高原美術館で開いた。約120人が集まり、翻訳についての清水さんの話を聞いた。  清水さんは「人は語らいの中で、声の調子や間の取り方などから言葉の裏にある互いの意図を無意識に推し量るものだが、最近は電子メールやインターネットの影響か、特に若い人の中に額面通りに受け取る人が多い気がする」とした上で「翻訳も原文が読めるだけでは駄目で、活字の行間を読み、隠れている意味を読み取れなければならない」とその難しさを語った=写真。  「初めて翻訳した『大きいゾウと小さいゾウ』の中で、ジャングルの動物が人間に呼び掛ける場面がある。私は『おじさん』と訳したが、動物の立場から見ればここは『人間』と訳すべきだ-と厳しく指摘されて初めて翻訳の難しさに気が付いた」と翻訳を始めたころの裏話を披露した。

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