井月顕彰会が初の講演会
清泉女学院大学 玉城教授が講演
伊那に足跡を残した漂泊の俳人井上井月の業績を文化遺産として顕彰する井上井月顕彰会は、29日いなっせで初めての講演会を開いた。
井上井月顕彰会は、一般社団法人として、去年12月1日に設立された。
漂泊の俳人井上井月や門下の俳人たち、また、井月を支えた人たちの業績を文化遺産として顕彰することを目的としている。
今回が初めての講演会で、井上井月と近世文学の流れの演題で、清泉女学院大学で近世文学・俳諧史を教える玉城 司教授が講演した。
玉城さんは、立派な井月像とみすぼらしい井月像を切り口にして、井月には、2つの面があったと説明した。
明治時代に政府からゆるされた教育者として、また一方で、そうした生き方を否定し、漂泊の俳人として行脚する生き方。
玉城さんは、「井月は、いつも両者のはざまで葛藤し続けたのではないか」と分析していた。
会場には、井月の映画化に意欲をみせる俳優の小椋一郎さんをはじめ多くの井月ファンがつめかけ、講師の話に耳をかたむけていた。