三峰川米の美味しさ科学的に実証
信大 井上直人教授が分析
昔から「美味しい」と言われてきた三峰川の水で育ったお米「川下り米」は、科学的な分析からも美味しいという結果がまとまった。
分析は、伊那市が信州大学農学部の井上直人教授に依頼して行われた。
三峰川水系で穫れる米は、「川下り米」などといった名前で親しまれ、昔から美味しいと言われてきた。
伊那市では、科学的な分析に基づきこの米の美味しさを明らかにすることで、ブランド価値をより高いものにしようと考えた。
米は、去年の秋に収穫したもので、三峰川から取水している高遠町下山田区、長谷市野瀬区、美篶青島区、東春近車屋区、同じく東春近の下殿島区の5か所の米を分析した。
また、比較するために、市場に出回っている高級ブランド米5種類も同様の分析を行った。
米の水分や脂肪酸など、美味しさを決める成分を量る食味値は高いほど美味しいとされているが、三峰川水系の米の平均値は77.9になり、ブランド米の平均値、72を上回った。
また、稲の生育状況に関わる鉄分やカルシウム、亜鉛などのミネラルの分析でも、ブランド米の平均値より、三峰川水系の平均値が高い結果となった。
井上教授は、こうしたミネラル分が稲を丈夫にし、劣化するのを防ぐため、生育が良い、身の詰まった美味しい米ができるのではないかと考察している。