新村長直面する課題
民間出身を強く打ち出して宮田村長に初当選した清水靖夫氏。住民と行政の接点をどのように持たせるか、・ス協働・スのむらづくりに向けた究極の課題が立ちはだかる。信頼関係構築には、役場職員の意識疎通が不可欠。形式的なものではなく、住民を巻き込みながら議論していく体制づくりも急務だ。バランス感覚とともに、判断力がリーダーとして求められる。<br> 村が協働を推し進めようと、昨年度導入した職員の地区担当制と各種事業を出張して住民に伝える出前講座。ほとんど利用機会がなく、形骸化している。<br> 形を整えただけのやり方に住民からは不満の声も多い。特に職員が地域の課題など相談に乗る地区担当制は、村民と職員の接点を持たせる発想だったが、思惑とはかけ離れた状態だ。<br> 村民と役場職員ら58人が参加して、1年間議論を繰り広げた「むらづくり協議会」。<br> 同じ村民としての視線で自立のむらづくりを話し合ったはずだが、行政寄りの対応をする一部の職員に不満も挙がった。<br> 一方で協議会は解散したが、元会員を中心にむらづくりを行っていこうと取り組みも始まっている。メンバーには若手役場職員も入っており、貴重な住民と村とのパイプ役も担っている。<br> 清水氏の村長就任に対して、村民の間には「役場が変わるのでは」という期待感がある反面、「民間感覚を叫ぶあまり、職員とのあつれきが生じないか不安」という声もある。<br> また、今回の選挙で商工会の組織力が前面に出てきたことで「商工会イコール民間ではない。一部の意見だけでなく、本当の意味で村民に目を向けてほしい」といった意見も聞く。<br> 「みんな考え方や意見は違う。それを判断し、集約するのがリーダーシップ」と話す清水氏。<br> 住民との関係をどのように保ち、発展させるか、職員との徹底的な議論は必要。形になって現れてきた住民の自主的な取り組みに、どう行政が関わり拡大させるか手腕も試される。