越冬女王蜂の準備
羽化したクロスズメバチの女王蜂に卵を蓄えさせて冬を越し、来年の蜂追いにつなげようという越冬作業が始まった。
伊那市西箕輪大萱の作業小屋では、伊那市地蜂愛好会のメンバーが29日から、女王蜂の越冬作業を始めた。
小屋の中には、会長の小木曽大吉さんが設置した蜂の巣がいくつも置かれている。
この巣箱では、24日頃から女王蜂の羽化が始まっている。
一回り大きな女王蜂とオス蜂を効率よく交尾させ女王蜂に卵を蓄えさせ、冬を越し、来春会員たちに配る。
ハチ追いを楽しみながら、ハチ資源の増殖にも力を入れている愛好会は、こうして人工的に越冬させた女王蜂を山に放す活動を続けている。
この日から始まったのは、より効率よく交尾させるための作業で、朝のうちにまだ動きの悪い蜂たちを、オス蜂だけを通す網の中に入れて交尾の確率をさらに上げるという。
体の小さなオス蜂は、網をすり抜けてしまうため、最終的に巣作りの基となる女王蜂だけが残るというしくみだ。
オスは、羽化して1カ月ほどで死んでしまうが、女王蜂は、マイナス2度から3度に保った冷蔵庫で一冬を越させて来年春に会員に配る。
会員は、自分の好きな場所に女王蜂を放し、すがれ追いを楽しむ。
この作業は、11月半ば頃まで続くという。